
リモート会議で同時翻訳
【登壇者】
上村 魁(カミムラ サキガケ)
株式会社ジャック・インターナショナル
株式会社ジャック・インターナショナル 代表取締役社長
1976年生まれ。中学時代に渡米し、紆余曲折の末、University of Oregonを卒業(国際政治学)。
2000年、ソフトバンクに入社。6事業で営業や事業企画を兼任した後、ライブドアに転職。外資系ソフトウェア会社のマネージャー職を経験し、2014年、ジャック・インターナショナル代表取締役社長に就任。
JAT、JACI、IBA(国際ボディガード協会)会員
【講演概要】
リモート会議が浸透する中、新しい通訳のあり方として同時翻訳を提案する。
通常、リモート会議であれば逐次通訳や同時通訳と言った手法が採られるが、発話言語をリアルタイムで翻訳しチャットなどに記入していく手法である。
顧客と試行錯誤しながらこの2年間で培ったノウハウをいくつか紹介する。
【講演のポイント】
・同時翻訳とは
・なぜ今同時翻訳なのか
・同時翻訳の長所・短所
・同時翻訳に使えるテクニック
【受講対象者】
・クライアント企業
・翻訳者
・通訳者
ダーシの世界
【登壇者】
川月 現大(カワツキ ゲンダイ)
有限会社風工舎
有限会社風工舎 代表
編集者。ソフトウェア会社(シーエーシー)でシステム開発業務に従事後、テクニカルコアに転職。Microsoft、Oracleの製品マニュアルおよびオンラインヘルプのローカリゼーション、書籍・雑誌などの編集を担当する。1997年、有限会社風工舎を創業。編著に『デジタルテキスト編集必携[基本編]』(翔泳社、2012)がある。
Twitter:@editech、ブログ:エディテック(ITmediaオルタナティブ・ブログ)
【講演概要】
ダーシ(ダッシュ)とは「—」で表される記号のことだが、実はひとつではない。複数の記号がダーシとして使われる。ここでは特に「二倍ダーシ」にスポットを当て、(1)どの記号を使うべきか、(2)ダーシの用法、(3)翻訳で気をつけるべき点について解説する。
【講演のポイント】
・ダーシの内包と外延
・ダーシは多義
・ダーシは挿入
・ダーシは不要
・ダーシは余韻
【受講対象者】
・翻訳者、翻訳チェッカー、リンギスト
・企業の広報担当者
・編集者、校正者
・デザイナー
・印刷営業担当者
SaaSのローカリゼーション
【登壇者】
河野 弘毅(カワノ ヒロキ)
つうじ合同会社
つうじ合同会社 代表社員
1960年福岡県生まれ、東京大学工学部航空学科卒業。
宇宙開発業界からローカリゼーション翻訳業界に転職し、複数の翻訳会社勤務を経て、2016年4月から機械翻訳コンサルタントとして独立。
2021年10月につうじ合同会社(2GEE.io)を設立。AI翻訳導入のコンサルティングとAI翻訳サービスの開発に従事。
一般社団法人日本翻訳連盟が発行する業界誌「JTFジャーナル」の編集長を2011年から2020年まで務める。
日本通訳翻訳学会(JAITS)、日本翻訳連盟(JTF)、アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)、言語処理学会(ANLP)の会員。
【講演概要】
スマホの普及により万人が毎日ネットを使う時代になった。人がそこで行うことは情報を得るかサービスを使うかのどちらかであり、そのサービスを提供しているのが「SaaS」である。
翻訳業界がIT需要に対応した初期にはローカリゼーションといえばパソコンにインストールするソフトウェアのマニュアルを翻訳することだったが、SaaSにマニュアルはないし更新が速く旧来のローカリゼーション翻訳の常識は通用しない。
この講演では、SaaS企業の海外展開に必要なマインドとそれを支える翻訳会社に求められる能力について概観する。海外の先行事例から、テクノロジーに対応した言語サービスプロバイダ(LSP)がSaaS企業と連携して製品のローカライズ、新規市場への参入、グローバルなユーザー数の増加をどのように促進しているかを紹介し、これから海外進出する日本のSaaS企業とそれを支援する翻訳会社の参考になる情報を共有する。
【講演のポイント】
・継続的な拡大が期待されるSaaSビジネスの市場
・グローバル展開を目指すSaaS企業が考慮すべき点
・SaaSプラットフォーマーの典型的な業務プロセス
・SaaSローカリゼーションを成功させるためのポイント
・企業のグローバル対応度をはかる指標(GMM)
・SaaS企業がLSP(翻訳会社)に期待する役割
・SaaS企業の要求にこたえるローカリゼーション技術
【受講対象者】
・これからの海外展開に関心があるSaaS企業の関係者
・SaaS企業にサービスを提供したい翻訳会社の経営者
・SaaS企業への売上を上げたい翻訳会社の営業担当者
・ローカリゼーション工程の自動化に興味がある技術者
・翻訳支援ツールをSaaS企業に販売する開発会社関係者
・ローカリゼーション翻訳の将来に興味があるすべての方
【翻訳者も!発注者も!】
産業字幕翻訳における注意点と訳し方
【登壇者】
五野上 良(ゴノカミ リョウ)
株式会社アユタス
株式会社アユタス 代表取締役
英日・日英翻訳者。
主な分野はマーケティング、IT(特にセキュリティ)、ファッションなど。広告からトレーニングまで、様々な動画コンテンツの字幕も担当している。
【講演概要】
この数年で産業字幕翻訳の仕事が増えてきている。登壇者の五野上は10年以上前から、広告、教育、ウェビナーなどの動画コンテンツの字幕翻訳に携わってきた。その経験を踏まえて、1)翻訳会社やクライアントに向けたお願い、2)翻訳担当者に向けた簡単なTips、の2点を伝えたい。
1)発注側の方へのお願いエンタメ系の字幕翻訳とは異なり、産業字幕翻訳には統一的なルールが存在しない。クライアントも翻訳会社も手探りの部分が大きいように見える。ここでは発注時点で確認しておくべき情報を紹介する。1秒あたりの文字数はもちろん、産業字幕で特に問題になりがちな表記ルールを紹介し、発注側が事前に確認・合意することを促す。
2)翻訳者に向けたTipsテキスト系の産業翻訳と産業字幕の訳し方の違いを簡単に紹介する。具体的には、「自明な情報のカット」「要約」「品詞の入れ替え」「程度を表す言葉の四捨五入」など。
【講演のポイント】
・産業字幕翻訳の特徴
・【発注者向け】事前に確認していただきたいポイント
・【翻訳者向け】産業字幕翻訳のポイント(テキスト翻訳との違い)
【受講対象者】
・翻訳学習者
・現役翻訳者
・翻訳会社の方
・クライアント企業
訳文を検索する秀丸マクロ PASTRA_SEARCH
【登壇者】
杉山 範雄(スギヤマ ノリオ)
株式会社杉山特許翻訳
株式会社杉山特許翻訳 代表取締役
1959年静岡生まれ。名古屋大学大学院工学研究科 結晶材料工学専攻卒。工学博士。国内・外資系メーカーを経て、1996年より特許事務所に勤務。国内用特許明細書の作成とともに、外国からの特許明細書の翻訳を担当。2002年からフリーランスの特許翻訳者(英日/日英)に。専門は物理/半導体/材料/電気/電子/光学/通信/医療機器。東京都荒川区在住。著書「あの手・この手の特許翻訳」(エイバック・ズーム)。
【講演概要】
翻訳資産の蓄積・活用は、翻訳の品質・効率を維持・向上させる上でとても重要である。翻訳資産とは過去の対訳用語、対訳訳文などである。
しかし用語に比べて訳文の活用は難しい。CATツール上で翻訳メモリとして保存すれば良いが、CATツールを使っていない場合、過去の訳文検索は非常に煩雑である。たとえばWORDファイルの場合、①対象とする原文を、検索ソフトを使ってWORD原文ファイル群の中で見つける。②対応するWORD訳文ファイルを目視で探して訳文を検索する。
この講演では、秀丸テキストエディタを使った訳文検索マクロ「PASTRA_SEARCH」を紹介する。これにより過去の訳文検索が格段に楽になる。マクロには2つの機能がある。①WORD等の原文・訳文ファイルを自動でテキストファイルに変換して保存する。②対象とする原文をテキストファイル中で高速で検索して、該当訳文を表示する。当日は動作を実演する。
【講演のポイント】
・秀丸エディタ
・マクロ
・訳文検索
・翻訳資産
【受講対象者】
・技術翻訳者
・特許翻訳者
・フリーランス翻訳者
・インハウス翻訳者
翻訳は大事な文化財産
―その「普遍的で不変的な価値」を言語権から考える
【登壇者】
豊田 憲子(トヨダ ノリコ)
フリーランス英日日英翻訳者、「HALライティングカレッジ」代表
大学卒業後、外資系企業翻訳部勤務をへて英日・日英翻訳者として30年、論文、ビジネス文書翻訳、日本語原稿草案作成コンサルティングに携わる。翻訳学校での指導歴も25年以上、「HALライティングカレッジ(旧名称 クリティカルライティング研究会HAL)」で後進指導10年以上。
「I-JET25」(JAT)、「翻訳祭」(日本翻訳連盟)、「JITF2021」(日本会議通訳者協会)など業界のセミナーに登壇、さらに業界雑誌「翻訳事典」(アルク社)や「Ameria」(フェロー・ネットワーク)などに寄稿。日本会議通訳者協会会員。
ウェブサイト近日公開 https://hal-writingcollege.jp/
【講演概要】
当方は機械翻訳の適切な運用について昨年から何度か文書で発表し、セミナーでもあるべき方向性を主張してきた。しかし、残念ながら業界内で今のところ理想的な運用例に出会っていない。反対に、適切な運用からほど遠く質の悪いエンジンからの出力結果に翻弄される翻訳者やチェッカーの嘆きがあちこちから聞かれる。
このままでは、稀少言語としての日本語の価値が下がっていくのではないかと危ぶむ。
今後、日本語と日本語翻訳の「普遍的で不変的な価値」を守るために、翻訳者および日本語を母語とする人はこれから何を意識し、どのように行動するのが好ましいかを考えたい。
【講演のポイント】
・稀少言語
・言語権
・翻訳者の未来
・日本語の未来
・人間翻訳
・機械翻訳
【受講対象者】
・翻訳者
・学生
・クライアント企業
・翻訳会社
親業と家業のバランス実現を目指して
【登壇者】
中島 礼子(ナカジマ レイコ)
翻訳者
・2003年から韓国語映像翻訳を主に手掛ける 主なタイトル:「イカゲーム」「ヴィンチェンツォ」「星から来たあなた」「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」「美しい彼女」など、吹替・字幕作品多数
・1990年代に4年間ソウルに留学・就職・現在は地方在住で在宅ワーク中の一児の母
・コロナ禍前の趣味はスーパー銭湯通い・現在は昼寝と晩酌で息抜き
【講演概要】
小さな子供を抱える翻訳者・通訳者で、常に家庭と仕事のバランスについて悩んでいる方は多いと思われる。完全な終息の兆しが見えないコロナ禍において、家族の体調不良や休業・休校によって頓挫してしまう業務をいかにさばいていくか、また時間があれば地方在住者が継続的なキャリアとして翻訳を続けていく方法なども、自分なりの経験を踏まえて同業者の皆様や翻訳者を目指す方々にお伝えしたい。
【講演のポイント】
・時間の使い方
・常備すべき物
・モチベーションアップ法
・気分の切り替え方
・地方在住のメリットとデメリット
【受講対象者】
・翻訳者
・翻訳者を目指す方
一読で理解してもらうための日本語表現力
1ポイントレッスン
【登壇者】
丸山 雄一郎(マルヤマ ユウイチロウ)
日本映像翻訳アカデミー
日本映像翻訳アカデミー JVTA日本語表現力強化コース主任
学生時代にライターとしてデビュー。小学館「DIME」「週刊ポスト」「週刊ビッグコミックスピリッツ」などでライター、編集として活動後、主に講談社の週刊誌、書籍などの編集に携わる。現在は、映像翻訳本科のほか企業の社内研修でも講師を務める。
【講演概要】
私たちが日常目にする文章を2回以上読み返すことはほぼないと言っていい。ネットニュースや新聞、プレスリリース、業務上必要な資料など、ほとんどが一度目を通せば終わり。それは翻訳原稿であっても同様。翻訳者にとっては、一度しか読んでくれない“読者”にどれだけ高い質の文章を“提供”できるかが問われ、それが業界や社内での評価を決める大きな物差しとなっている。この講演では、一読で読み手に理解してもらうための日本語の書き方をワンポイントレッスンの形式で行う。プロの翻訳者にとって「日本語表現力」の大切さを長年にわたって講義で教えてきたJVTAならではのショートレッスン。
【講演のポイント】
・一読で理解してもらうために最も大切なこととは?
・文の構成から考える理解度の違い
・注意したい助詞の数
【受講対象者】
・翻訳者
・翻訳会社の方
・クライアント企業
翻訳者がオタクで何が悪い
- 趣味から広げる翻訳の世界
【登壇者】
宮田 昭二(ミヤタ ショウジ)
フリーランス翻訳者 (IT/マーケティング)
関西大学社会学部卒。
学生時代に英語ディベートの選手として活動する。
某官庁・特殊法人に 20 年勤務。闘病生活を経て現在フリーランス翻訳者。
趣味丸出しのブログはこちら。https://lake2017.muragon.com
【講演概要】
ロック、ジャズ、SF、探偵小説、少女マンガをキーワードに将来に向けてあがく翻訳者の本音を語る。
【講演のポイント】
・自己紹介
・読書遍歴と音楽遍歴
・「翻訳マーケティング会議」と自分にとっての「翻訳マーケティング」
【受講対象者】
・翻訳者
・翻訳学習者
・クライアント企業
エンタープライズ向け翻訳管理システム
「XTM」の最新情報
【登壇者】
目次 由美子(メツギ ユミコ)
XTM International Ltd.
XTM International Ltd. 日本支社長
サンフランシスコ州立大学卒。2016年1月よりXTMスペシャリストとして翻訳管理システム「XTM」の日本窓口を担当。
長く勤務した外資系翻訳会社にても、独グループ会社開発の翻訳支援ツールのスペシャリストとして翻訳イベントでの講演や業界誌への寄稿など奔走してきた。日系の大手電気通信事業者および外資系の大手医療系企業のIT部門での勤務経験も有する。
これらの経験を活用し、翻訳業務の展開を効率的に支援するXTMを翻訳業界の皆様に紹介している。2019年2月には日本およびアジアでのさらなるビジネス拡大に向けて設置されたXTM Internationalの日本支社にて日本支社長として尽力している。
【講演概要】
XTMは世界をリードするクラウド型のエンタープライズ規模の翻訳管理ソリューションとして、業界のオープン スタンダードに準拠し、高い拡張性と柔軟性、そしてアジャイル環境を重視して設計されている。複雑な翻訳プロセスやサプライチェーンの整備を重視し、一元管理される翻訳メモリのリアルタイム共有、翻訳再利用の最大化、コンテキストを伴うWYSIWYGでのレビューを実現している。先進的なCMSとのプラグアンドプレイ コネクターやAPI経由でのシステム連携によってXTMはさらに効果を発揮する。機械翻訳エンジンとの連携によってポストエディティングのための理想的なプラットフォームともなり、AI駆動の機能によって翻訳の品質と生産性はさらに高められ、経費削減ももたらされる。XTM Internationalは例年4回のメジャー アップデートによって、より良い翻訳テクノロジーをお届けしている。
【講演のポイント】
・XTM Internationalの会社紹介
・XTMの基本機能
・XTMの2022年の最新機能
【受講対象者】
・クライアント企業
・翻訳会社の方
・翻訳者の方